死刑執行人の苦悩
僕は今までもこれからも死刑賛成派なのですが、この本を読むと結構考えさせられます。個人的には、命を奪えば命で償うのは当たり前のような気がするんですけどね。この辺の考えは人それぞれなので、難しい話だと思いますが。
この本なのですが、タイトル通り死刑執行人に焦点を当てて書かれているので、被害者の気持ちはほぼ皆無です。死刑囚に向けて「なぜこんないいヤツを殺さなければならないのか?」というフレーズが出てくるくらいです・・・。それだけに全てがその通りだとは思わないですが、被害者とはまた違った視点が見れて興味深いです。
死刑の執行は刑務官という、囚人を更正させる仕事をしている人が行います。実際この仕事に就こうと思う人は「人を更正させる為に仕事に就いたのに、人を殺さなければならなくなる恐れがある」という、何というか複雑な仕事です。死刑執行の特別手当もあるのですが、この本が書かれた当時(平成5年)で、一回6,000円ほど。死刑の執行回数も多いときで年間40人ほどの死刑執行がありますが、それも段々と減少傾向にあり、近年では年間1桁台に落ち着いてるらしいです。この数字を見ても、金銭目的でできる仕事ではないでしょう。また死刑執行後の刑務官は精神的に追いつめられる人が多く、家庭崩壊する人も多いみたいです。と、こういう事って世間的にあんまり知られてないんじゃないでしょうか?実際僕も初めて知ったし。日本は死刑制度を認めてるのに、なぜ密行主義なのか疑問です。死刑が確定するところまでではなく、その後の刑務官、死刑囚の思いや感情をもっと世間に公開するべきではないのでしょうか。何に対してもそうですが、何かに対して議論をするのなら、まずそれを知るという事からはじめないとダメやと思います。まぁ刑務官の苦悩を残さないという点だけに注目するのなら、死刑執行人を死刑囚にさせるのがいいと思うのですが、どうなんでしょ。
何となく思うがままに書いたので、結局何が言いたいか分からなくなりましたが、何かと考えさせられる一冊ではありました。たまにはこういう本もいいと思います。
死刑囚たちがかつて殺人事件を起こしたのは、それぞれの動機があって人殺しをしたのだ。金が欲しい、女を犯したい、恨み、憎しみ、様々な動機だ。いずれもがけしからぬ理由であれ、殺すときは殺そうという気になって人殺しをしたのである。ところが、死刑執行官には殺人の意志はない。


違うと思う
死刑の本質
それぞれの苦悩

